- 傷つけられてるのに離れられない
- いつか元の優しい夫に戻るはず
- やっぱり求められると嬉しい
平然と不倫し続ける夫に愛情を求め、離れられない状態は、共依存かもしれません。
共依存とは、他者に依存し自分を見失っている状態。
あの人がいないと生きていけない。不倫さえしなければ良い人なんだよ。
そう思い寄り添うことは、愛ではなく依存です。
筆者は元サレ妻で、現夫婦心理カウンセラー。
私もかつて、元夫と共依存に陥りかけていました。
ただ早期に抜け出せたお陰で、今の幸せがあると思っています。
サレ本人に、依存の自覚はありません。
特にシタが自己愛人間の場合、共依存は深刻しやすく、抜け出すのは困難。
気力・思考力はどんどん吸われ、子どもにまで害を与える結果になりかねません。
この記事では、自己愛人間と共依存に陥る仕組みと、抜け出し方について解説します。
平気で家族を傷つけるシタに「いつか変わるはず」と期待を持ち続けても、真の安心感は訪れません。
共依存を自覚し、向き合うことから始めましょう。
不倫における夫婦間の共依存
まず依存とは、お酒や薬物、浮気など、特定の物や状況から離れられない状態。
それに対し共依存は、「何かに依存している他者」に対し依存している状態です。
依存対象が、物か人かの違いだね。
今回テーマ、不倫下の共依存とは「不倫している夫」に対して依存している状態。
不倫を終わらせ関係の再構築に努める夫婦であれば良いのですが、
- 不倫を終わらせようとしない
- 不倫を悪びれる様子もない
- それどころか責任転嫁
- 終わる終わると言って繰り返す
そんな夫に期待し離れられない状態は、明らかに共依存。
自己犠牲に成り立つ関係は、有害です。
そんな夫でも好きだから、そばにいたいんだよ。
とてもわかる。けれどそれは、愛とは言えないんだ。
共依存の根底には、シタとサレに以下の性質があります。
【シタ】
他者を利用し自分の望みを手に入れる性質
【サレ】
他者に必要とされることで自分の存在意義を見出す性質
特にシタが歪んだ自己愛を持つ場合、共依存は起こりやすく終わりも見えません。
自己愛人間との共依存が深刻化しやすい理由
自己愛人間と共依存は、切っても切り離せない関係です。
それは、自己愛人間の「他者を利用することで脆い自己を満たす」性質ゆえ。
その役割に自ら名乗りをあげるサレの姿勢こそが、共依存状態を深刻化させています。
理由1:自己愛人間(シタ)は他人を利用価値で見る
自己愛人間は、歪んだ自己愛を持つ人間。
自分を特別な存在と思い虚栄を張っても、中身は空っぽ。本当は劣等感の塊です。
しかし「カッコ悪い自分」を認めることができません。
自尊心を満たすための執念は、凄まじいものがあります。
利用価値のある人間かどうか無意識下で判断。対象となれば、手に入れるため全力を尽くします。
はじめは優しく紳士的に近づく自己愛人間。
- こんなに愛してくれる人いない
- こんなに素敵な人いない
- 私の全てを受け入れてくれる人
と自己愛人間の虜になれば、抜け出すのは困難です。
新しい駒を見つければ、妻を徹底的に無価値化し、駒を使い捨てていきます。
駒に愛情を感じていますが、本当は自分に向ける愛しかありません。
自己愛人間の特徴は「自己愛性シタ夫10の特徴」で詳しく解説しています。
理由2:共依存者(サレ)には見捨てられ不安がある
共依存者は、優しく親切で愛情たっぷりな自己愛人間に惹かれ、夫婦になります。
しかし新たな駒の存在で、急に夫は冷酷な人間に。
以前の優しい夫の姿が頭から離れず、無価値化されている現実を受け入れることができません。
あんなに仲良かったんだから、きっと元の夫に戻るはず。
残念ながらそれは幻想。
自分が駒であったことも、愛情が戻らないことも理解できず、自己愛人間の愛を求め続けます。
- 夫に見捨てられたら生きていけない
- 本音を言ったら離れていきそうで怖い
- 私が我慢すればずっと一緒にいられる
感情を犠牲にしシタに寄り添うことで、繋ぎ止めることに執着。
しかしシタは、共依存者の弱みを見抜いています。
- どうせコイツは俺から離れられない
- 俺に嫌われたくないのだろう
- コイツは簡単に丸め込める存在
シタに寄り添うほど、シタのエゴは膨らみ、不倫や横柄な態度は加速。
シタに嫌われたくない感情が、共依存を深刻化させます。
理由3:イネイブラーの存在
自己愛人間の強気な態度の裏には、必ずイネイブラーの存在があります。
自己愛人間は、1人で自尊心を満たすことができないため、イネイブラーの存在を上手く活用します。
イネイブラーは決して1人ではありません。
- チヤホヤおだててくれる不倫相手
- 不倫する自分を守ってくれる両親
また共依存者であるあなた自身も、イネイブラー。
- 不倫をしても離れないあなた
- 嫌われないように振る舞うあなた
自分の自己を犠牲にすることは、自ら自己愛人間に「私を利用して良いですよ」の合図を送っているのと同じです。
しかしそれは、相手を愛するが故ではありません。
- 自分のことを否定しない女性
- 自分の要望を飲んでくれる女性
- 容姿が好みの女性
- 自分をおだててくれる女性
- 自分の味方でいてくれる女性
自己愛人間にとって理想の女性を演じるあなたは、最高のイネイブラー。
自ら使い捨て駒の立ち位置に躍り出てたんだね。
自己愛人間にとって「良い妻」でいるほど、利用される事態は必然。
お互い無意識下で傷の舐め合いに利用し合っていたのです。
そしてあっさり、次のイネイブラーにとって代わります。
不倫夫との共依存|15のチェックリスト
では具体的に、どのような状態を共依存というのでしょうか?
15個のチェックリストを参考に、あなた自身が共依存に陥っているか、判断材料にしてみてください。
- 元の夫に戻ると信じている
- 夫のいない人生は考えられない
- たまに優しくされると嬉しい
- 嫌われないよう、機嫌を伺ってしまう
- 要求を断ることに罪悪感を感じる
- 自分の意見を言うのが怖い
- 自分が我慢すればうまくいくと思う
- 「優しい所もある」と言い訳を探す
- 「自分にも問題がある」と思う
- 「夫を理解できるのは私だけ」と思う
- 「夫もきっと深く悩んでいる」と思う
- 「不倫さえやめれば良い人」と思う
- 夫婦間にパワーバランスがある
- 女を選んでも、戻ってきたら受け入れてしまう
- 褒められると「自分は必要とされている」と感じる
私ほとんど当てはまってるよ。
私も当時は、ほぼ共依存状態。
今ならわかりますが、この状態は異常。一緒にいても傷つくだけです。
放置すれば、取り返しがつかない事態になることも。
- 一生不倫と共存する人生
- 自分の価値を見失う
- 気力や思考力が吸い取られていく
- 酷いことされてもそれを普通と感じる
- 子どもに八つ当たり・拠り所を求める
- 子どもの心や人生を軽視してしまう
一旦共依存になれば、感覚が麻痺し、不当な扱いに慣れていきます。
鋭気がじわじわ吸い取られ、自分の存在意義を見失う。
「自分が必要とされること」に固執し、子どもの感情が見えなくなれば、子どもまでも歪んだ自己愛を持つ人間に。
将来の毒親・不倫人間・モラハラ加害者の誕生です。
このように自己愛人間は連鎖。
自己愛の連鎖を断ち切るには、共依存を終わらせる覚悟が必要です。
不倫する自己愛人間との共依存から抜け出す方法【4ステップ】
では実際に、共依存から抜け出すにはどのようにしたら良いでしょうか。
共依存の最大の問題は、あなたの中の「自己評価の低さ」ということは既にお伝えしました。
でもいきなり「自分に自信持て」なんてムリな話だよ!
私も自分に自信なかったからわかるよ。だから少しずつ、考え方をシフトしていこう。
4つのステップを紹介します。
方法1:共依存を自覚する
まず「今の状態は共依存だ」と認識しましょう。
さもなければ、終わりのない迷路を彷徨い続けます。勝手に事態が好転することはありません。
でも夫も悩んでると思う。私が追い詰めているのかも…
それは自己愛人間にそう思わされているだけ。
自己愛人間は、自分を被害者に仕立て上げることが得意です。
あなたに罪悪感を植え付け自己正当化することで、自分自身を守っています。
共依存を判断する際、疑うべきこと
- 夫が自己愛人間ではないか
- 自己保身の為、私を操作していないか
- これは本当に私の問題か
自己愛人間はあなたを黙らせるための手口を心得ていますが、巧妙すぎて気づきません。
いつの間にか、悪者はあなた。
その手口が「カバートアグレッション」。手口を知ることで、シタの言動の本当の意図がわかります。
愛ではなく共依存だと気づかなければ、あなたの自己は失くなります。
方法2:自分の感情を理解する
次に、自分の本当の感情を受け止めましょう。
自己愛人間に向き合うと、自分の感情がわからなくなります。
自己愛人間は、自分の中の醜い感情をあなたに投影し、あなたの感情かのようにすり替えるから。
- お前は自分のことばかり
- お前が俺を苦しめている
- お前は求めすぎなんだ
シタがあなたに発する言葉は、シタの中の醜い感情を映し出したものです。
全部シタ自身に向けられた言葉。なのであなたは決して、自分を責める必要はありません。
「シタにそう思わされている状態」を終わらせるということ。
そのために素の感情を自分で認めることが必要です。
- 不当な扱いされて悲しい
- 暴言吐かれて悔しい
- 不倫してるのに横柄な態度はおかしい
- 私を騙し続けて腹が立つ
- 子どもの気持ち考えないなんて最低
怒り狂ってる。恨んでる。でも「そう思って良いんだ。これは当然の感情だ」そう思えることが肝心。
実は一番しんどいのは、自分を責めている状態や、本当の感情を自分で否定してしまう状態です。
私もう十分頑張ってるんだね。おかしいのは夫だ!
本当の感情がわかれば、自己愛人間の洗脳から抜け出しやすくなります。
方法3:自己愛人間に期待しない
「おかしいのはシタ」とわかっても、感情をぶつけることに意味はありません。
感情を理解しようとしない上、徹底的に敵視してくるから。
- シタの言動のヤバさを訴える
- 自分の苦しさを伝える
- 子どもへの影響を力説する
自己愛人間は共感性0の生き物なので、これらは一切響きません。
響いているフリをすることもありますが、常に「自己利益のため、いかに欺けるか」という思考です。
自分の非を認められない性質ゆえ、建設的な話し合いも攻撃と捉え、あなたを敵視。
頑なな姿勢は増す一方です。
要は、戦うだけ無駄ってことだね。変に波風立てても心が疲弊するだけだ。
自己愛人間を、私たちと同じ人間と思うと一生搾取され続けます。
自尊心満たしの駒以外、存在価値を認めないから。
諦めることから始まります。
方法4:自分の大切なものを認識する
自己愛人間が変わらないとわかれば、焦点を当てるべきはあなた自身。
どう変われば良いのかわからない。
無理に変わらなくて良いから、自分の芯を明確にすることだよ。
子ども、夫、自分自身…
あなたの本当に大切なものは何ですか?
どうしたら守れますか?
ブレブレな芯は簡単にへし折られます。
目的と手段を混同してはいけません。
- 夫の気持ちを取り戻すこと
- 家族がそろっていること
それは本当に、大切なものを守る手段になっているのでしょうか。
間違っても、優しさや愛情深さを不当に利用する人間を気持ちよくすることではありません。
決断をするとき、身を引き裂かれるような辛い痛みを伴います。
しかし、悪性なものを取り除かない限り、大切なものは汚染される一方。そこから真の安心感は生まれません。
大切なものを大切にできる自分に、いつしか揺るぎない価値を感じるはずです。
まとめ
不倫を続ける自己愛人間に愛情を求め、離れられない状態は、愛情ではなく共依存。
共依存は、シタとサレの以下の特徴から成り立ちます。
【シタ】
自尊心を満たすために他者を利用する性質
【サレ】
他者から必要とされることで存在意義を感じる性質
自分自身の自己評価の低さが根本にあり、その性質が自己愛人間によって利用されている状態です。
しかし、一方の自己犠牲に成り立つ関係は、明らかに有害。
あなたの自己感覚は吸われ続けます。
共依存から抜け出す4ステップ
- 共依存を自覚する
- 自分の感情を理解する
- 自己愛人間に期待しない
- 自分の大切なものを認識する
相手に必要とされることで安心感を得ようとする限り、本当の安心感が得られることはありません。
それは「夫を変えるために自分を変えよう」ではなく「自分の大切にするものを明確にする」ということ。
誰も自分に自信なんてありません。私もそう。
しかし、大切なものを必死で守る自分に、いつの間にか誇りを持てていました。
だから、以前より自分のことが好きになれました。
自分の価値を自分で決められる人間は、共依存とは無縁。
卑怯者にあなたの自己を差し出す必要は、もはやありません。
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向き合おう!